こんにちは、佐藤です。
このホームページをご覧になっている方は、かなりの強いクセ毛で悩んでいる方も沢山いる事と思います。そういった方のために、今回はかなり強い波状毛と捻転毛の「混合毛」タイプのクセ毛の縮毛矯正事例を記事にしたいと思います。
目次
クセが強い=強い薬を使えばいい、という問題ではない
ちなみに、下の写真のお客様は一見、パーマをしているようにも見えますが、パーマなどは一切しておらず、純粋なクセ毛の方です。
カラーリングもしているようにも見えますが、これは地毛が茶色い為、染めたように見えているだけです。この、地毛が茶髪のタイプのクセ毛は、美容師側はよく注意して施術をする必要があります。
このような地毛が茶色いタイプのクセ毛の方は、毛髪に含まれているメラニン色素が少ない(薄い)ため、私の経験上、縮毛矯正の薬液が非常に浸透しやすいからです。
BEFORE
理由としては、
毛髪は、ケラチンタンパク質が80%、水分11~13%、メラニン色素4%、あとの残りは「脂質」で構成されています。
すなわち、メラニン色素が通常よりも少ないタイプの方は、同時に脂質や水分量も少ない方が多いです。そんな脂質と水分の少ない「乾燥毛タイプ」の人に、「地毛が茶髪の人」が多いのはこのような理由があるからと言えるでしょう。
AFTER
薬液の力を上げ過ぎると、アルカリによる毛髪膨潤(アルカリ膨潤と言います)により、髪の間充物質が流出してしまう為、アルカリ濃度は極限まで抑えて施術をしました。
そして、このようにサラサラヘアになる事に成功しました。
薬液のパワーのみに頼るのではなく、アイロンする時の力加減や、熱の温度調整を部分ごとに変える事によって、強いクセでもしっかり自然にこのように伸ばす事ができます。
先ほども申し上げましたが、アルカリによる毛髪の間充物質の流出は、深刻な髪のダメージを引き起こします。毛髪の間充物質とは、簡単に申しますと、「髪の栄養分」です。
「髪の栄養分」が無くなってしまえば、もう、パサパサな髪になってしまいます。
毛髪にとって重要な18MEA(18メチルエイコサン酸)や、 NMF(天然保湿因子)も、間充物質に含まれている為、それがキューティクルの隙間から抜け出てしまう量を最小限に食い止めながら、縮毛矯正をすることが大切なのです。
毛髪を見極めるには
乾燥している=吸水毛(親水性)なので、「縮毛矯正剤やストレートパーマの薬液を吸い込みやすい髪」であるという事を、美容師側は念頭に置いて、丁寧な施術が必要になります。
それは、私は「隠れ乾燥毛」と呼んでいるのですが、一見、薬液がなかなか浸透しずらそうな強いクセ毛でも、実はかなり早いスピードで薬液を吸い込んでしまうような髪は、縮毛矯正剤1剤の吸い込み過ぎによりビビり毛になりやすいからです。
※健康毛とは、水を吸い込みやすい「吸水毛」ではなく、逆に水をはじきやすい「疎水毛」です。水をはじきずらい、吸い込みやすい髪は、傷んでいる髪、もしくは傷みやすい髪質だと言っていいでしょう。
多くの美容師が失敗するのは、この「薬液を吸い込みやすい髪か??」つまり、「疎水毛か吸水毛なのか??」の見極めが甘いから失敗するのだと私は思っています。
縮毛矯正剤一液を塗布後、10分以内にマメに毛髪の軟化具合を触診、視診し、塗布している最中もどのくらい還元剤が浸透しているかを確認すると、失敗の少ない正しい施術ができ、高いクオリティーのヘアデザインを作る事ができます。
軟化チェックの方法としては、テールコームの端に毛髪を巻き付け、ループがすこしだけ戻る程度になったら洗い流すタイミングです。
ループが完全に戻らない場合は、
軟化させ過ぎ=時間の置きすぎ(オーバータイム)
なのです。今回の施術は美容師の同業者にもなかなか難しいクセ毛と思われる髪質でしたが、そこはバッチリ綺麗にさせて頂きました。
BEFORE&AFTER
バッチリ綺麗になりました^^
髪質としては、こちらのお客様の髪質に近いので、こちらの記事も参考にどうぞ。