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「ストレートパーマ」と「縮毛矯正」は何が違うのか???
タイトルにある、二つの違いは実際にお客様から最も多くいただく質問の一つです。
美容院によって「縮毛矯正」と「ストレートパーマ」の定義が違うので、美容師やサロンによって「これが縮毛矯正の定義である」、「これはストレートパーマです」といった風に、呼び名や解釈が全く美容師によって変わります。
なぜそんな事が起こるかというと、両方とも髪に作用する「毛髪のシスチン結合を一液で外し、2液で再結合する事によって髪の形状記憶をする」という点においては毛髪内部において同じ工程を踏む為、その区別をつけづらい為です。つまり、両社とも非常に似ています。
実は定義があいまいで、美容院によって呼び名が変わる
あくまで私が一美容師として感じることは、美容院、美容師によって「ヘアアイロンでプレスするか否か」でストレート、縮毛矯正の呼び名を変えているところが多いのかな、と感じます。
例えば、1液を塗布して洗い流した後にストレートアイロンでプレスするストレートパーマを「縮毛矯正」と呼び、その工程がなく、ストレートパーマ液一液を塗布して洗い流した後、ブローのみでクセを伸ばしていく技法を「ストレートパーマ」と区分けしているように感じます。
ちなみに下の写真がいわゆる「ストレートアイロン」で髪をプレスしてる工程の写真です。
薬剤の1剤を洗い流した後、この工程を行います。
いわゆるブロー仕上げのみでストレートアイロンを通さないのはこのようなロールブラシ、もしくはツインブラシと言われる挟み込むような形のトング状のブラシでまっすぐにしていく技法です。
もちろん、薬液によっても「これが縮毛矯正、これがストレートパーマ」といって区分けするサロンもあるので、一概にストレートアイロンを通す技法を挟むのが縮毛矯正である、と断言はできないです。
ストレートアイロンを通すか否か、どっちが髪にいいのか???
縮毛矯正、ストレートパーマ時に何故、ストレートアイロンを通すかというと、理由があります。
高温であるストレートアイロンはいかにも髪に悪そうだし、なんだか痛みそうなイメージがみなさんにもあるかもしれません。でもあえて、そのストレートアイロンを使う必然性があるのか否かを、どこで美容師が判断しているのかをご説明したいと思います。
髪はケラチンタンパク質という弾力のあるタンパク質で80%以上が構成されています。他には、脂質、水分、メラニン色素などが髪を構成していますが、ほとんどがケラチンタンパク質である、と言えるでしょう。
ケラチンタンパク質の性質を説明するうえで、私は卵の白身の話をたとえ話にすることが多いです。(卵の白身はタンパク質なので)
生卵があるとします。その生卵を高温のフライパンで焼くと、今まで透明だった卵白の部分の色が変わって白くなると思います。
しばらくすると目玉焼きができます。この、タンパク質を熱で加温することによって形状が変質することを、「タンパク変性(へんせい)」と呼びます。
このタンパク変性の原理は、髪の中でも同じことが起こっていて、卵白は髪、フライパンがストレートアイロン、という具合に置き換えて考えることができます。薬剤で軟化させたクセ毛(タンパク質)をアイロンの熱の力を借りて硬化、変性させるのが縮毛矯正、ストレートパーマの基本原理になります。
どちらも熟練した技術が問われる技法であることは間違いない
縮毛矯正と呼ばれるものでもストレートパーマと呼ばれるものでも、どちらにしても大切な事が2つあります。
それは、1液の選定とアイロンの温度です。
一液の選定が適切であれば、ストレートアイロンを通すか通さないかはさほど重要ではなくなってきます。例えば、ソフトな薬剤を使ってアイロンの熱を利用してクセを伸ばす、というのもアリだと思うし、逆に1液をやや強めに設定してアイロンを省く事によって髪を熱変性から守る、という考え方、私はどちらも髪質に合わせて臨機応変にチョイスします。
ここの薬剤選定の決め方や、熱変性の原理などはなかなか数年ではマスターするのは難しいです。
私自身も、18年間の美容師人生の中で、たくさん失敗と経験を積み重ね、ようやくある一定の答えを出せました。
ぜひ、髪の悩みがあれば私までご相談ください。